中島 啓子: 2011年3月アーカイブ
前回、地震が起きてからの私事をこの場でシェアさせていただきました。
地震後続くめまいや、とれない肩こりを、「仕事のせい?」とごまかしている自分がいました。
そして、私と似たような方が多くいることも知りました。
そこで、下記のレポートをいただき、とても楽になりました。
ぜひ、皆様にも読んでいただけたらと思います。
著者からリンクすることをご快諾いただきました。
被災地ではない被災地周辺地域の方のための 「震災ストレスケア」です。
https://www.iryo.co.jp/wp-content/uploads/stresscare_advice.pdf
少しでも多くの方が健康で、前進できることを意図しています。
中島
はじめに
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、
被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
地震のあと、ずっと少なからず動揺が続いていました。
被災地の方に比べれば、私の動揺など微塵であり、口にすることすらはばかれる感じがしていました。
しかし、今日はそんな自分のことを認めて、自分に起きたことを書こうと思います。
もともと私は、地震に対してとても敏感でした。
なぜならば、弟がなくなった日、東京でM7.2の大地震があったからです。
(弟と地震は関係ありませんが、私は弟の死と地震を結び付けてしまっていました。)
私は大手町のとあるビルの5階にいました。
月に1回くらいしか顔を出すことのない、契約先の職場です。
その日は、打ち合わせ後、松阪に向かう予定でした。
大きな揺れに、職場の方の誘導のもと、外へ避難することになりました。
そこで、非常階段の壁がミシミシいって、ひびがはいるのを目の当たりにしました。
ビルが崩れるのではないかという恐怖に襲われました。
皇居前に避難しました。
その後もビルが揺れ、建設中のビル上のクレーンが落ちてくるのではないかと思ったほどです。
その日、子供たちはふたりだけで、長野の実家へ行く予定でした。
「今、どこにいるのだろう?」
時間的にたぶんまだ学校だろうと思いましたが、連絡はとれません。
少し揺れが落ち着いたところで、ビルに荷物をとりに戻りました。
非常階段の壁は、ところどころ崩れ落ちていました。
その際に、固定電話からたまたま小学校に電話がつながり、
子供たちは多目的室に避難していることを聞き、私は東京駅付近にいる旨を伝えることができました。
雨が降ってきて、職場の人たちとともに、東京駅に向かいました。
駅周辺は人だかりで、タクシーはつかまりそうもないこと、電車も動かないことを確認して、再度、職場のビルの地下に戻りました。
しばらく、そこで時間を過ごしました。
東北の津波の映像をテレビで見ました。
地下街の様子は・・・
トイレは長蛇の列、コンビニの商品が一気になくなっていきました。
電話もメールもつながらない状態ではあったものの、数時間経った頃、突然、メールが入ってくる瞬間がありました。
地元の親友から私と娘たちを心配するメール
九州の知人たちからの心配メール
同じマンションに住む友人から、娘たちを心配するメール・・・
私と娘を心配してくれるメールが続々と届きました。
その瞬間に、私も連絡が必要な場所にメールをしました。
携帯電話の充電が残り少なくなっていたところ、職場の人が携帯用の充電器を貸してくれました。
親友は私の実家が無事である様子を知らせてくれました。
同じマンションの友人は、私の代わりに子供たちを学校に迎えに行ってくれたそうなのですが、親でなければだめだということでした。
娘たちのことを思い、涙してくれたことをのちに娘たちから聞きました。
職場の方が、ビルの安全を確認してきてくれて、職場に戻ることになりました。
戻っても、揺れるたびにドキドキしました。
地震関連のニュースをインターネットを通して、ずっと聞いていました。
私の利用する交通情報を確認して、夜中の12時に職場を出ることにしました。
多くの人は職場に泊まることにしました。
駅の改札まで、職場の人が送ってくださいました。
ホームには人があふれ、3本電車を見送って、一駅移動しました。
次の駅で、線を乗り換えたのですが、情報を確認して出てきたにもかかわらず、電車がきませんでした。
そこで1時間待ちました。
私の前に並んでいた女性ふたりは、あきらめて歩いて職場に戻って行きました。
やっときた電車になんとか乗り込みました。
身動きできず、出張用の荷物が邪魔になったり、体が当たってしまい「ごめんなさい」と謝る私に、隣の男性は受けとめるように、うなづいてくれました。
やっとの思いで最寄駅に到着しました。
駅のホームには、あまりに混雑した車内に具合が悪くなり、座り込んでいる方たちが何人もいました。
子供たちは近所に住む義父に引き取られて、歩いて帰ってきた夫と合流し、家に帰っていました。
私は夜中の2時過ぎに家にたどりつき、寝ている子供たちを抱きしめたものです。
次の週、すぐに福岡への出張がありました。
子供と離れるのが嫌で、泣く泣く福岡に行きました。
次女は学校で、地震が起きた時に「ママが出張でいない」と大泣きしたそうです。
仕事はたまっていたのですが、常にテレビやパソコンのニュースを聞きながらだったため、集中することができずにいました。
そして、今週は長野に出張がありました。
いつもは楽しいはずの出張が、後ろ髪をひかれるような思いでした。
今日も新潟へ向かう予定でしたが、地震の影響で、研修が見合わせになり、少しだけホッとしている自分がいます。
昨日は、長女の小学校の卒業式でした。
とにかく、私の中での混乱は続き、そして、めまいもあり、花粉症のせいか体調もずっとすぐれませんでした。
しかし、そのような中で
私は職場の方たちの適切な行動や人柄に救われました。
そして、多くの友人たちの励ましの連絡に救われました。
日頃、連絡をとっていない方からも、何か困っていることがあったら・・・という連絡をいただきました。
本当に感謝しています。
自分を大切に思ってくれる存在を心から感じました。
ニュースを見るたび、そして、
全国の方たちが参加するメーリングリストに、被災された方からの生の声が届くたび、
涙し、胸がつまる思いでいっぱいでした。
そのメールを受けとめることと、募金くらいしか、行動することができずにいました。
被災地の方のことを思うと、自分の動揺など口にしている場合ではないと思いました。
しかし、このブログで言葉にすることで、一度自分自身をうけとめ、そして次に進もうと思いました。
今、自分にできること・・・
今後、私も立場をとっていきたいと思っています。
心から1日でも早い復興を願うとともに、私の立場でできることを考え、行動していきます。
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「私のお母さん」
私のお母さんは仕事をすごく頑張っている。
たくさん出張に行ったり、家でもパソコンに向かっている。
でも、家事だって毎日こなしている。
ごはん、洗濯、洗い物、そうじとやるべき仕事は全て完璧にこなしている。
ある時、そんなお母さんが「頭がいたい。」と言っていました。
体温をはかると熱がありました。
私は「頑張っているし、疲れたんだなあ」と思いました。
よく考えると、最近あまりお手伝いをしていませんでした。
「お母さんは、私のためにいろんな計画を立ててくれたり、生活をしている中で支えたりしてくれてるのに私はだめだな。」と思いました。
この出来事がきっかけで、お手伝いをもっと進んでやろうと思えました。
そして、私はそんなくらいまで頑張っていて、どうどうとしたお母さんを尊敬している。
お母さんを誇りに思う。
今度は私がお母さんを支える努力をしなければならない。
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これは、娘の自由帳に書かれていた作文の"下書き"でした。
病気で学校をお休みし、届けられた自由帳を、私がたまたま見たものです。
(思わず、コピーしちゃった(*^^)v)
最近、家に帰ったら、部屋がそうじされていたり、
夕食を作ってくれたことが数回ありました。
背景にこんな思いが詰まっていたのですね(涙)。
この作文に対して、担任の先生のコメントです。
「中島さんの思いが伝わってきました。
いいテーマを選びましたね。
書き出しの文章の工夫、段落の構成の工夫など、これから考えていきましょう。
中島さんのお母さんもすてきだけど、そのお母さんを受けとめて、自分の考えをまとめている中島さんもすてきですね。」
娘の気持ちを受け取りました。
そして、いくつか気になった点が・・・
家事を完璧にこなすというのはないない(ーー;)
これって願望?
そして、「私はだめだな。」なんて思わないで欲しいなあってこと。
私が出張で家を空けられるのも、あなたたちのおかげなのよ。
そして、頑張れるのも(*^_^*)
娘たちも、いつしか私のように大きな意図をもって取り組める仕事に出会えるといいな。
蛇足ですが、娘の将来やりたい仕事のひとつに、私の仕事がはいっていました(*^^)v
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